キャベツ(甘藍)


    プロフィール

  アブラナ科アブラナ属の二年草で、学名は Brassica oleracea var. capitata。
  ヨーロッパの地中海沿岸が原産です。今でも葉が巻かない原種が、ギリシャやイタリアなどの海岸沿いに分布しています。長いあいだに突然変異を繰り返しながら、今のような結球キャベツになりました。晩春から初夏にかけて、黄色い花を咲かせます。和名では「たまな(球菜)」とか「かんらん(甘藍)」と呼ばれます。
  系統・品種と用途

  「キャベツ」は、現在、市場には一年を通して、春系キャベツや寒玉系キャベツ、その中間型などが出回っています。普通種のほかに、葉が赤紫色を帯びた「むらさきキャベツ(紫キャベツ)」や、葉が縮んでちりめん状になる「ちりめんキャベツ(縮緬キャベツ)」などの系統があります。
  栽培のポイント

  「キャベツ」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。

気候区分

作業

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

温暖地

種まき

植えつけ

収穫


気候区分

まきどき (春|秋)

収穫時期 (春|秋)
寒 地 03/中〜07/上   07/上〜10/下  
寒冷地 02/下〜03/下 07/上〜07/下 06/中〜07/中 10/上〜11/下
温暖地 02/中〜03/中 07/中〜08/上 06/上〜07/上 11/上〜01/下
暖 地 02/上〜03/上 07/中〜09/上 05/中〜06/下 11/上〜03/上

ご注意

  発芽温度は8〜35℃、生育温度は5〜25℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。

 


152025

発芽適温

15-30

生育適温

15-20

栽培のポイント

  冷涼な気候を好みますが、栽培可能の温度範囲も5〜25℃と広いため、各地で栽培できます。品種によって、まく時期が大きく異なりますので、注意してください。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

6.5-7.0

栽培のポイント

  中性に近い、弱酸性を好みます。強い酸性土壌ではかならず石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

作付け間隔

1-(2)


栽培のポイント

  根こぶ病などの連作障害が起こりますので、いちど栽培したところでは、少なくとも1年は栽培しないようにしてください。
  栽培のステップ

  「キャベツ」を栽培するとき、種まきから収穫までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

種まき・育苗

(1) 3号ポットや連結ポットにタネまき用土を入れ、タネを4〜5粒をまきます。覆土は薄く、タネがかくれる程度にします。たっぷり水を与え、乾かないように発芽までは新聞紙などをかけておきます。








(2) 発芽が揃ったら、3本に間引き、本葉が1〜2枚のころに1本立てにします。

(3) 本葉が5〜6枚になるまで育苗します。

畑の準備

(1) 酸性土壌に弱いので、植えつけの2週間くらい前までに、1平方メートルあたり100gの苦土石灰を施し、よく耕します。

(2) 畝の真ん中に深さ20〜30センチの溝を掘るか、全面に1平方メートルあたり2kgの完熟堆肥と120gほどの有機配合肥料を施し、よく耕します。幅90センチ、高さ10センチほどの畝を立てます。

植えつけ

(1) 本葉が5〜6枚くらいに育ったころ、条間45センチ、株間30〜40センチくらいに植えつけます。根鉢は崩さないようにしてください。







(2) 植えつけの後にたっぷりと水を与えます。

(3) 大型の野菜なので、地植えがふつうですが、小型の品種は大型の鉢やプランターなどでも栽培できます。

追肥・管理

(1) 本葉が10枚くらいになったら、必要に応じて、畝の両側に有機配合肥料を施して土寄せします。












(2) 結球し始めたら、2回目の追肥を施し、土寄せします。

(3) 害虫を避けるために、べた掛け資材で被ったり、病害虫の早期発見、早期防除に心がけてください。

収穫

(1) 球が肥大して、かたく締まったものから収穫します。






(2) 収穫が遅れると、裂球してしまうので注意が必要です。

(3) 春先に球の頭がとがってくるものは、なかで花茎が伸び始めて抽苔(とうだち)寸前となっていますので、早く収穫してください。
  おもな病害虫

  「キャベツ」には害虫がつきやすいので注意が必要です。また、連作すると根こぶ病や萎黄病などが発生します。
Cabbage
    おもしろ百科

  「キャベコン」

  「だいこん」に「キャベツ」を接ぎ木してできた合体植物です。「キャベツ」に根こぶ病に対する耐病性を持たせ、根も収穫できるという発想からうまれました。ただ、接ぎ木の成功率が低いために実用化されていません。
  「キャベツ」のQ&A

  Q1:「キャベツ」がうまく結球しません。
  A1:「キャベツ」の結球不良の原因として考えられるのは次のようなことです。まず、生育初期から結球までの間に肥料が十分に効いていなかったこと。そして、密植していることや、苗の時期に一定期間低温や高温に晒されたこと、または大きくなりすぎた苗を植えたことなどがあります。

  Q2:「キャベツ」の球の頭がとがってきました。
  A2:春先に球の頭がとがってくるのは、球内で抽苔(とうだち)が始まっている証拠です。この場合は、早めに収穫してしまうことが必要です。「キャベツ」はグリーンプラントバーナリゼーション(緑植物春化)型の作物で、一定の大きさに達した苗が一般に1か月以上連続して低温にあうと花芽分化します。低温に感応する大きさは品種によって異なります。低温感応の温度は平均気温13℃以下、平均最低気温10℃以下です。
※グリーンプラントバーナリゼーションとは、「キャベツ」や「タマネギ」、「セロリ」などに見られる現象で、発芽種子は低温に感応せず、ある程度の大きさになった幼植物が低温に反応して花成が促進されます。「キャベツ」では、低温感受性は品種により大きく異なりますが、一例をあげれば、茎の直径が5mmに達した苗が平均14℃の低温に1か月以上遭遇したときに花成がおこります。
  Q3:「キャベツ」を春夏に定植するには。
  A3:「キャベツ」は冷涼性野菜で暑さに弱いのが特徴です。したがって春や夏に定植するときは、暑い日の日中を避け、夕方に定植するようにします。

  Q4:「キャベツ」の生育が悪く、引き抜くと根にコブがあります。
  A4:根にコブが発生する「根こぶ病」だと思われます。原因としては、アブラナ科作物の連作やpH6.0以下の酸性土壌、低湿地や水はけの悪い土壌などが考えられます。病気に罹った株は抜きとり処分します。いったん発生した畑では、殺菌剤を散布するか、CR(根こぶ病抵抗性)のついた葉だいこんを「おとり作物」として栽培し、菌密度を減少させるなどの対応が必要です。


  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
[Home]



大地の歓びをつたえ、ホームガーデンとともに