えんどう(豌豆)


    プロフィール

  マメ科エンドウ属の一年草で、学名は Pisum sativum。
  中央アジアから地中海沿岸にかけてが原産です。古代ギリシャからローマ時代にはすでに栽培されていました。
  寒さに強いまめ類のなかでも、もっとも耐寒性が強く、幼苗のうちなら氷点下の気温にも耐えます。北海道や東北地方の一部をのぞいては、秋にまき、春収穫する作型がふつうです。
  系統・品種と用途

  「えんどう」には、青莢が硬いので青実だけを食べる「実えんどう(硬莢種)」と、軟らかい青莢を食べる「莢えんどう(軟莢種)」、それに青実と青莢の両方が食べられる「スナップえんどう(軟莢種)」とがあります。和風料理をはじめ、さまざまな調理法で食卓をにぎわせてくれる野菜です。
  また「えんどう」の若い芽や葉を摘んだものが「豆苗(とうみょう)」です。春先に、おひたしや炒め物として利用します。
  一般的に、タネの表面にしわがあるのが「莢えんどう」、しわがないのが「実えんどう」です。また、ふつうは蔓性ですが、蔓のない矮性種もあります。
  栽培のポイント

  「えんどう」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。

気候区分

作業

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

寒地

種まき

植えつけ

収穫

温暖地

種まき

植えつけ

収穫
 (翌年)

 


152025

発芽適温

18

生育適温

15-20

栽培のポイント

  耐寒性が強く、タネの発芽最低温度は1〜2℃、幼苗期は−3℃でも枯死しません。ただし、あまり早くまくと、冬に入る前に大きく育ちすぎて耐寒性が弱くなるので、まき時を守ることが大切です。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

6.0-7.0

栽培のポイント

  酸性に弱いので、酸性土壌ではかならず石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

作付け間隔

5-(7)


栽培のポイント

  連作障害の出やすい代表的な野菜です。いちど栽培したところでは、少なくとも5年は栽培しないようにしてください。
  栽培のステップ

  「えんどう」を栽培するとき、種まきから収穫までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

種まき・育苗

(1) 3号ポットにタネまき用土を入れ、タネを3〜4粒、間隔をあけて、人差し指1節くらいの深さにあけた穴にまきます。覆土をして、軽く手で押さえます。
  覆土が浅いと、根が浮き上がったり、種皮を被ったまま発芽してきます。




(2) たっぷりと水を与え、植えつけまで日当たりのよいところで育てます。

畑の準備

(1) 酸性土壌に弱いので、植えつけの2週間くらい前までに石灰を施し、よく耕します。

(2) 畝の中央に、深さ20〜30センチの溝を掘って元肥(堆肥と化成肥料)を入れます。これを埋め戻し、幅90センチ、高さ10センチほどの畝を立てます。
  肥料とくに窒素分は少なめに施肥します。肥料が多いといわゆる「つるぼけ」を起こし、収穫量が減ってしまいます。

植えつけ

(1) 本葉が2〜4枚くらいに育ったころに植えつけます。成長の遅れているものを間引いて、2〜3株にします。








(2) 本葉が4枚になったころ、条間45センチ、株間30〜40センチ間隔で植え穴をあけ、苗を植えつけます。8号鉢に1株、65センチのプランターなら3株が植えられます。

(3) 植えつけの後にもたっぷりと水を与えます。防寒対策として、株のまわりにわらや堆肥を敷いておきます。

追肥
支柱立て

(1) 早春のころになって、苗の成長がはっきりとわかるようになったら、化成肥料を株元にまいて土寄せします。










(2) 長さ2メートルほどの支柱を立てて、地面から20センチほどの高さにひもを横に張り、伸びてきた蔓を支柱に誘引します。わらを使ったり、ネットを張る方法もあります。

収穫

(1) 花が咲き始めたら、あと12〜15日くらいで収穫です。










(2) 「莢えんどう」は、青莢のなかのマメが2〜3ミリになったころ、「実えんどう」や「スナップえんどう」は青莢が太ってきたら収穫します。
  おもな病害虫

  「えんどう」には、ハモグリバエやアブラムシ類などの害虫がつきます。




    おもしろ百科

  「ツタンカーメンのえんどう」

  エジプトのツタンカーメンの王墓から発掘され、それが「おおがはす(大賀蓮)」のように現代に蘇ったものとされています。「実えんどう」の一種で、花も莢も赤紫色をしています。
  ただ、王墓からの出土自体が怪しげなのと、「えんどう」の種子が2〜3年の短命で、3000年以上のあいだ休眠していたとは考えにくいというのが一般的な見解です。

  「きぬさや」

  「莢えんどう」が「きぬさや(絹莢)」と呼ばれるのはなぜでしょうか。それは、莢どうしが触れあう音が、衣擦れ(きぬずれ)の音に似ているからだといわれています。

  写真提供: 「ボタニックガーデン」  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん
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